こんにちは。
柴原史佳です。
みなさんはワインというと、どんな国のワインを思い浮かべますか?
フランス、イタリア、ドイツ、スペインなどのヨーロッパ。
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン。
今回は少し珍しいワインについてお話したいと思います。
ワインの名産地とは
先程もいくつか国をあげましたが、今、世界中でワインがつくられています。
以前はぶどうには北限があり、気候や土壌の影響で、なかなかワインをつくるためのぶどうが栽培できない国もありました。
温暖化の影響もありますが、情報や醸造の技術、研究によって条件をクリアし、ワインづくりの可能性が広がっています。
歴史や格付け、それにあった価格により、フランスのワインは未だに人気です。
ですが、他の国も品質や生産量はみるみると発展し、ワイン後進国を年々しのいでいます。
これまでアメリカやチリ、アルゼンチンなどはワインにおいて「ニューワールド」と呼ばれることが多かったです。
しかし近年は品質も向上し、素晴らしいワインもたくさん生産されていて、ニューワールドという言葉さえ古く感じるほどです。
また日本ワインも同じく、素晴らしいワインが生産されていて、ポテンシャルだけではないテロワールと生産者の努力が世界でも華ひらきはじめてます。
ワインの名産地ってどこですか?
の問いは、これからもっと答えるのが難しい質問になるはずです。
女王とバッカスに乾杯
さて、女王といえばイメージされるのは、ロイヤルの祝福が続くイギリスではないでしょうか。
イギリスといえば、スコッチウィスキーを代表に、昔からウィスキーの一大生産国です。
もともとぶどうの北限を北に越えていたのですが、現在ではぶどう、そしてワインづくりの北限に限りなく近い国の1つになっています。
そのため生産者はまだ多くはないそうで、まだアジアへの輸出はなかなか難しいようです。
ですが、先日いただくことができました。
WINBIRRI Vineyards BACCHUS 2015
イギリス東部のノーフォークの「バッカス」という単一のぶどう品種でつくられたワインです。
バッカスはあまり聞きなれない品種名ですが、(シルヴァーナー×リースリング)×ミュラー・トゥルガウのかけあわせで、ドイツで多く生産されるドイツ系品種です。
ドイツ系ということで少し特有のオイリー(石油系)な香りが入るかなと思いましたが、ソーヴィニヨン・ブランに近い印象を受けました。
クリアな酸がきらめいて、少しビーンズの風味。そして、しまった果実味は黄色いレモンや青みがかったイエローグレープフルーツのような香りと余韻をあたえます。
心地よい正午のランチタイムに、テラスでチップスやBLTサンドイッチと合わせるのにぴったりなワインでした。
東南アジア系の香菜やハーブ、酸と甘みをいかしたお料理にも合いそうです。
きっとイギリスのワインだとは気付かないワインでした。
それもそのはず、このワインは毎年イギリスでDecanterが行うワインアワード「Decanter World Wine Awards」で、2017年にこの2015ヴィンテージが単一品種お値打ち白ワイン部門で100点中95点を獲得し、世界のベスト白ワインに選出されていました。
選ばれてから、イギリス国内でも入手が難しくなっているそうです。
ちなみに、バッカスはローマ神話ではお酒の神様のお名前です。
貴重なワインを手に、女王ベスとバッカスに乾杯しました。
アフリカ大陸の風を
数年前から南アフリカ産のワインもショップやレストランで見かける機会もふえました。
広大では言いきれないほど大きなアフリカ大陸の中で、地中海に面した国の1つにアルジェリアがあります。
日本からアルジェリアというと、どこにある国か分からないくらい、遠い国です。
そのアルジェリアでもワイン生産が行われていることを今年の2月にフランスへ行った際に学びました。
もともとフランス領だった歴史もありますし、その時にワインづくりも広まったようです。
気候や土壌は比較的適していて、アルジェリア全土でぶどう栽培も行われているとか。
アルジェワインの代表品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンをいただきました。
VIN D’ALGERIE O.N.C.V CABERNET SAUVIGNON
こちらも驚いたことに、カベルネ・ソーヴィニヨンによく言われる青ピーマンに似た青っぽい香りがほぼなく、ベリーの果実味に加えてクチナシのような香りがしました。
さらにオリエンタルなスパイシーさをもち、深い紫紅色。
味わいも刻々と変化していきます。
これがアルジェのカベルネ・ソーヴィニヨンだとは、口にしても神秘的に感じました。
デーツを用いたお菓子にあいました。
宗教的にアルコールを飲まない方も多い国ですが、ワインを生産し、フランスをはじめとしたヨーロッパを中心に輸出もしています。
写真や映像でしか知らない国ですが、どこか大陸の風を感じるようでした。
初めてのむワインは、まるで気になっていた方と初めてデートをする時のような気持ちにしてくれます。
今回は私が珍しいなと思うワインをきっかけにお話しましたが、時に、初めてのワインや見知らぬワインとデートしてみるのもいかがでしょうか。
グラス1杯でちょっぴり世界が広がって、心をときめかせてくれるはず。
みなさんもワインでボンボヤージュを。