伝統と革新!SHIBUYA TSUTAYA20周年のアートワークを飾った噂のアーティスト集団「衣・化・花」とは!?

―まずSHIBUYA TSUTAYAさん20周年記念のディスプレイおめでとうございます。
その少し前のインスタレーションパーティーから衣化花さんをCOLORSも追わせて頂いているのですが、このプロジェクトはいつから始まったのですか?

一色卓丸(以下、一色):丁度一年前にhiiさんの年賀状のメインビジュアルを任せてもらった時にフォトグラファー、生け花、ヘアメイク、スタイリスト、ネイルのアーティスト達が集まりました。
結果として年賀状に使われたけど、本来は個性を集めた作品撮りと言うことで。

―やはりhiiさんが起点なのですね。
彼女自身もCOLORSで過去にインタビューさせてもらいましたが、モデルと保育士を兼業しつつ、どちらも高いレベルで自己実現出来ている。
そんな人物像を前から面白いと思っていたのですが、本当にhiiさんは人を巻き込むのが上手ですよね。
その後点数としてはどのくらいの作品を撮りためたのですか?

一色:7回作撮りしたのかな?お正月の反響があって、2~3月からシリーズ物として本格的に作品撮りしようと集まり、5、6、7、9、10、11、12月と月一で撮ったね。
まあ8月はお休みして。

―それまでも大薗さんは人間に花を生けたご経験はあったのでしょうか?

大薗彩芳(以下、大薗):頭に生けたのはhiiさんが初めてでしたね。

hii:でもそう言われた時なんか嬉しかった。

―よく男性は女性の初めてが嬉しいなんて聞きますが、女性も男性の初体験嬉しいんですね?(笑)

hii:そりゃあそうですよ、自分の発案が「それやったことある」って言われたらがっかりしちゃいますもん!
でも伝統的な華道家の方がこういう活動を受け入れてくれたのが本当に凄いことなんですよ。

大薗:頭に花をつけること自体は数年前から流行っていて、勝手に練習はしていました、「こうやったら固定出来るね」ってアシスタントに(笑)

一色:試行錯誤してたんだよね、「準備出来たら撮影開始」と話していたんだけど押してたから行ってみたらまだ全然出来てなくて(笑)

 

―プロの華道家さんとは言え難しかったんですね。

大薗:相手は人間なので動くものですし、hiiさんの髪もそんなに多い方じゃなかったので。
それなのにいきなり極太の長い枝をつけていましたからね。

―先のパーティーではライブでそのパフォーマンスを拝見させてもらいましたが、あんなに大きなものを即興で出来てしまうなんて、クリエイターもその受け手であるモデルも凄まじいなと、あの時にはもう随分手慣れたように感じましたが?

大薗:一年の成果があったということでしょうね。正直過酷な現場も沢山ありましたから。
hiiさんにも頑張ってもらって、「本当は重たくて、痛いのよ!」って言われちゃって(苦笑)

―生け花という伝統と、ファッションやデザインとのクロスオーバー、各分野のプロフェッショナルのぶつかり合いと言う要素であったりと、
言葉に語弊があるかも知れませんが、前衛アート、現代アートを感じました。

大薗:あ、それは嬉しいですね。生け花と現代アートの相関値って僕は高いと思っていますから。

―でも本当にやってる皆さんがこんなにときめいているから、見る側もこんなに楽しめるんですよね。
初めての試み、新しい組み合わせ、そういうことに迷いがない人達が革新的なことをしようとするからこそ、
今回も常に革新的であり続けるSHIBUYA TSUTAYAさんに選ばれたわけですから。

一色:それは本当有難いですよね。ただ奇抜にやろうと思えば何でもありになっちゃうじゃないですか?
だから新しいことに挑戦しつつも王道の手法、正統派な部分は残しながらといったバランス感覚ですよね。

―認められる受け手側の理解レベルもそうですし、特にこういった大きなタイアップでは、企業イメージを向ける対象が一般顧客なわけですもんね。

一色:そんな中でもちろん皆がやりたいことを持ち寄って、当日びっくりさせるのも面白かったよね。
現場って意外と即興な部分も結構あって、ササマナさんなんて花びらに絵を描いてたもんね?(と言って写真を見せてくれる)

―あー、これはまさにアートですね、新しいです。
でもこれ生花なんでいつかは枯れてしまうんですよね?そういう有限のところもいいですよね。
これだけ個性がぶつかり合う企画にどうやってあの題字をデザインされたんですか?

佐々木愛実(以下、佐々木):そこに関しては4パターンの原案を出したんですね、一色さんに。
それこそ和に寄せた明朝っぽい案も考えましたが、イメージが固定化されないデザインでいこうと思い、早い段階で和の要素は捨てました(笑)
今後活動の幅を広げていくチームの姿を想像し、どんなにチームが飛躍しても定着するロゴでありたいと思ったので。
一見静的にも見えるロゴですが、角を有機的に膨らませたり、微妙にグリッドからずらしたりと、生き物が静かに呼吸をしているようなイメージを造形に込めました。

大薗:人によってはいかにも習字みたいになっちゃってたよね。

―漢字なのにフューチャリスティックを感じました。

佐々木;そうそう、私たちは日本の伝統文化を一要素としているけれど、伝統文化そのものを発信するわけではない。
新しい価値を構築し、それを海外や未来に発信しようとしているので漢字を漢字としてじゃなく、マークや絵として見れるようには意識しましたね。

―ロゴだけでなく「これは自分の考えを色濃く反映させれたぞ」みたいに感じられるポイントとかって皆さんありますか?

一色:逆に僕は作品撮りで一回も自分の撮影に満足したことはないかな(笑)
現場って本当に色んなことが起きるから、全然もっと撮りたかったな、ああすれば良かったっていつも思う、でも全然時間が無くて。

―え?森の撮影なんかは誰に迷惑かけるもんでも無いし、時間制限無く納得行くまで出来るんじゃないんですか?

一色:それが違うんだよ、早朝から車で移動して2時間、仕込みで3時間かかったらもう昼でしょ?
そこから冬は日没までの時間が短いし、真夏はモデルの体力が限界になるし、撮れる時間は意外に短いんですよ。

でも面白かったのが僕はポートレート撮影をメインでやってるから、本来は綺麗に顔が見えるように撮りたいじゃないですか?
でも柳で顔が見えなかった時に、顔が見えなかった写真が一番良い作品になったんですよ。
自分にとっても良い発見になったな。

hii:私は、作品のテーマが先にあり、メンバーの作品の想いを読み取って毎回撮影に向き合ってますね〜。
皆の想いを形にだそうともがいてます。
この撮影では一歩も動いてはいけないのが私の最大の仕事なので、動かない中で表情・手先・足先・体の向きを考え自分と向き合ってましたね。

佐々木:私はアーティストとデザイナー、二つの役割で参加させて頂いたんですけど、他の人からどう見られるか、そのためにどう伝えるか?はデザイナーとして意識しました。
衣化花チームにデザイナーは私一人しかいないので。
コンセプトライティングも務めたのですが、説明的にはせず、あえて読み手の解釈にゆとりを持たせています。
一旦長い物語を書いて、それを2文くらいにまとめているのですが、物語の全貌は見せていません。
ライティングもロゴデザインも、「生きものが持つ余地」を大切にしています。
アーティストとして立体作品を作らせてもらっているのですが、デザイナーとしてそれぞれの作品の軸となる統括したメッセージも気にしなくてはいけないので、そういった部分では今回結構勉強になりました。

大薗:生け花とフラワーアレンジメントの違いって、フラワーアレンジメントはよく結婚式でも見ると思うんですけれど、空間を埋めて綺麗で美しいが意味は求められない。
生け花はわざと余白を作ったりしてその空間にも想像力が働くような物語を作ったりメッセージを込めることができるんですよね。
ですからhiiさんの頭に花を活ける際に、綺麗なだけでなくそこからどう空間を広げるかが僕の役割だと思って仕事を果たしました。
頭に花飾りをするだけは既に陳腐化していますが、そうはなっちゃいけないと生け花としての独自性を表現することが力を入れたポイントです。

―そういった想いをそれぞれが持たれて、またそれに見合うだけの実力を兼ね揃えていたからこその今回の企画なわけですが、ようやく一年が経ちいよいよ満を持してこれから世に発信していこうというタイミングでいきなりSHIBUYA TSUTAYAさんとの取り組みが実現。
これは本当に大きな反響だったわけですが、実現した経緯をお聞かせ願えますか?

大薗:僕の友人繋がりで今回のお話が実現しまして。
おそらく色んな方がSHIBUYA TSUTAYAさんと絡みたいと売り込みがある中で、この活動を面白いと思って頂いて、また日本の流行の発信地である渋谷、インバウンドの外国人の方々等世界に発信していく街として、生け花という日本の伝統文化を新しい形でお見せする機会を頂けたのが本当に光栄なんですよね。

SHIBUYA TSUTAYAさんが配信したグリーディングカードや期間限定ブックカバーのビジュアルにも起用されたんですよ!

―月並みですが、最後に今後の展望を聞かせてもらえますか?

大薗:これねえ、締まらないんですが全く決まって無いんですよ…。

佐々木:チームの方向性を定めていくのが目下の課題なんですよね(苦笑)

大薗:それってネガに聞こえるかも知れないんですけど、僕等としてはどうなっていくんだろうと逆にワクワクしているんですよね。
持続可能性というのは確かに必要なので、そこの土台をどうしていくかは考えなきゃいけないんですが。
やはり衣・化・花というコンセプトはブラさずに、僕としては伝統的な文化と革新的な試みを日本初として海外にグローバル展開していきたい、それが2020年中なのかはともかくとして。

hii:衣・化・花でいろんなことに挑戦はしたいですね。
私は、メンバーが始めと比べコミュニケーションを取り仲良くなっていくことがすごく嬉しいです。
元映画館での展示会でパフォーマンスをした時、アーティストの息がぴったりで一年間作品を作りつづけたからこそ、このメンバーだから出来るんだなーと凄く実感しました。
今年は一人一人の個性だから出来ることを活かし、レベルを上げていきたいなと思います!

【衣・化・花】
Photographer:
Takumaru Isshiki 
Ikebana Artist:
Saihou Ozono
Model:
hii
Hairmake:
Emi Sugiyama
Junya Hirota
Takumi Toyama (fromhand)
Stylist :
Aki Nagano(Team COLORS)
Nail artist :
Sayumi
Designer,Artist,Writer:
sasamana
Accessory brand:
yonayona

公式Instagram:https://www.instagram.com/ikebana.ne.jp/