プティアルザス気分

こんにちは。

柴原史佳です。

2019年もスタートして早1か月が過ぎそうですね。

皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

クリスマスや年末年始と、ワインを愉しむシーンも多かったかと思います。

私もいろんなワインを心潤わせながら楽しんでいます。

今年最初のコラムは、私の大好きなエリアのひとつについてお話させていただきます。

 

フランスの北東・アルザス地方

 

フランスのワイン銘醸地といえば、皆さんはどのエリアを思い浮かべますか。

ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ、ロワール…たくさんありますよね。

その中で、フランスの北東でドイツとの国境にも近い場所にアルザス地方があります。

アルザスはボージュ山脈という大きな山脈とライン川挟まれ、ブドウ畑の傾斜はとても急で、冷涼な地域になっています。

中心都市のストラスブールは世界遺産になっていますし、コルマールはジブリ映画「ハウルの動く城」のモデルとなったといわれている、ドイツらしさを感じる可愛らしい街並みもあり、ツーリストにも愛されています。

フランスの他の地方に比べるとブドウの収穫は遅れますが、冷涼ながらも日照量に恵まれていて、白ワインが秀逸です。

代表品種は、リースリング・ゲヴェルツトラミネール・ミュスカ・ピノグリです。

ドイツに近いことから、甘口ワインをイメージされる方もいますが、辛口も素晴らしいものが多いです。

単一品種でつくられることが多く、繊細でアロマティックで華やかな香りをもつワインが多いため、お食事に合わせるのが難しいと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、レストランのペアリングでもラインナップされたり、知らないうちにアルザスワインを味わっているかもしれません。

私はアルザスワインと出会った時、うっとりするような香りと余韻に思わず深呼吸しました。

身体が喜ぶワインに出会った、そう感じました。

暑い季節はすっきりしたものが良いかもしれませんが、とくに今のような寒い季節には香り高いアルザスワインを楽しむのはぴったりかなと思います。

 

日本でプティアルザス気分

 

先ほどもお話しましたが、お料理との合わせ方が気になる方もいらっしゃるかと思います。

そういう時は、現地のお料理と一緒に楽しんでしまう!

これが1番早い方法ですよね。

でも日本からフランス、ましてアルザスは遠いし…と思いますが、日本でもいくつかアルザス料理専門のレストランがあります。

これなら、足を運んでみてもいいかなと思えるかなと思います。

 

 

乾杯にはぜひ、クレマン・ダルザスを。

アルザス地方のスパークリングワインですが、このアルザス地方のクレマン・ダルザスはフランス全土でも多くのまれているスパークリングワインの一つです。

細やかな泡と、すっきりとした酸が心地良く、お食事を軽快にスタートさせてくれます。

 

 

フレンチの前菜の定番の一つ、エスカルゴ。

名産地はブルゴーニュですが、アルザスではこうした感じもありですね。

バターとバジルの香りがワインをすすめます。

 

 

Domaine LOEWのピノ・グリ。

私はアルザスワインの中でもピノ・グリが特にお気に入りです。

アプリコットやマンゴーのトロピカルフルーツや、はちみつや貴腐ワインにも似たニュアンスをもちます。

ピノ・グリはイタリアなど他国でも作られていますが、アルザスのピノ・グリとはまた特徴が変わってきます。

おすすめは、アルザスのピノ・グリです。

こちらLOEWのピノ・グリ、香りはトロピカルな甘いニュアンスは控えめですが、ライトなアロマティックさ、余韻にグレープフルーツの果皮のようなビターさを残し、すっきりといただけました。

 

 

アルザスの家庭料理を代表する、シュークルート。

塩漬けのキャベツを発酵させた「シュークルート」と豚バラやベーコン、ソーセージと香辛料を入れて煮込み、たっぷりと盛り付けていただく郷土料理です。

お肉料理なので、アルザスのピノ・ノワールを合わせてもよいのですが、塩漬けキャベツの酸味にピノ・グリやドライなリースリングと合わせていただくのもおすすめです。

また、とある時はこんなアルザスワインの楽しみ方を。

 

 

Domaine BOTTGEYLのピノ・グリ。

こちらはアルザスの特級畑のものです。

2008年ヴィンテージと熟成がかかっていたため、とろりとしたテクスチャーに琥珀色。

グラスを揺らすと濃厚なはちみつやマンゴーのような香りがたちました。

喉元にも残る余韻。

うっとり。

 

 

豚肉のリエットときゅうりのピクルス。

ワインとのマリアージュがすばらしく、美味しいリエットを食べる時にはアルザスワインを合わせたいと思いました。

 

 

Laurent Barthのミュスカダルザス。

ミュスカは名前の通り、マスカット系品種です。

ミュスカデというブドウはまた違うブドウです。

こちら、とれたてのジューシーなマスカットをほおばったような、フレッシュ感。

ですが、後から心地よい酸が広がります。

 

 

こちら、シュークルートにつぐアルザス地方を代表するお料理の一つ、タルト・フランベ。

アルザス版ピザといったところですが、薄くてクリスピーな生地にチーズやハーブ、ベーコンやお野菜などをのせて焼き上げます。

その中でも定番は玉ねぎとベーコンのタルト・フランベ。

こちらも華やかで繊細なアルザスワインと相性ばっちりで、軽いのでパクパクといただけてしまいます。

 

 

PAUL GINGLINGERのゲヴェルツトラミネール。

こちらもグランクリュの特級畑のもの。

ライチのような、甘い桃木の下にいるような、さわやかでありながら甘味もあり、エレガントでボリュームを感じるワインでした。

こちらもうっとりする余韻。

アルザスのゲヴェルツトラミネールは香りの例えとして、薔薇の花束のようなと例えられることもあります。

大切な誰かに、薔薇の花束とアルザスのゲヴェルツトラミネールを一緒にプレゼントするのも、素敵ですよね。

 

今回はひたすらにアルザスのワインとお料理についてお話させていただきました。

テロワールを知ることもですが、テロワールにちなんでその土地のお料理を知ることも、ワインをより楽しむには良いポイントかなと思います。

お気に入りのワインがある方は、ぜひその土地のお料理と一緒に楽しんでみてくださいね。

 

 

アルザスワインとお料理が楽しめるお店

〇ブラッスリー ジョンティ http://b-gentil.com/sp/

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