公開まであと5日!『ラストナイツ』紀里谷監督単独インタビュー

先の10月24日、アップルストア銀座で行われたMeet the Filmmakerには、立ち見が出るほど多くのファンが詰めかけた。

そんな来場客の熱視線の先に、紀里谷和明監督が登壇。一人一人と丁寧に向き合い、最新作『ラスト・ナイツ』についてたっぷり一時間を語り尽くした。

この日、COLORS*プレスも正式に招待頂き、イベント終了後には監督との単独インタビューに成功。映画『ラスト・ナイツ』を通して、監督の話から見えた一貫性とは・・・。

 

映画は脚本が全て

Q 映画作りで一番大切にしているものとは

脚本です。映画は脚本が全てだと思っています。

Q 今回の作品での自然美について

観客の皆さんに物語と役者のお芝居に集中して頂く為に、余計なものは排除しました。 『CASSHERN』や『GOEMON』はカラフルな色を使っていましたが、それらをそぎ落とし、アクションなども過剰にせず、リアリティを追及するために、自然をそのまま活かしたんです。

Q ハリウッド初監督について

野球でメジャーリーグに行ったって、サッカーでヨーロッパに行ったって、高いレベルというだけで、野球は野球、サッカーはサッカーに変わりはないですよね。それと同様にどこに行っても、映画作りそのものに違いはない。ハリウッドにこだわっているつもりはなく、作りたい作品があって、それを作れる環境があったというだけです。例え日本でも中国でも、枠に囚われず、ただ映画を作って全世界に届けたい。そういったシンプルな思いで作っています。

Q 映画が好きだから監督をされているのか

いいえ、人と仕事をするのが好きだからです。大勢の人と仕事をして、それを沢山の人に観て頂きたいという思いです。それは映画に限ったことではなく、写真然りPV然り、それが今は映画なんですね。何事も一生懸命向き合って勉強していくことが重要です。

Q 夢を目指す人へのアドバイス

命を捨てる覚悟で全力で臨んでください。それは決して楽な事ではないですが、自分の夢にきちんと向き合うか?向き合わないか?それだけだと思います。

Q 公式Twitterで面白い試み(全国各地を回る監督一緒に写真をとって、ハッシュタグ「♯紀里谷監督みっけをつけて投稿すると、抽選でチケットが当たるキャンペーン)を実施されていますが

時間の空いているところは全部本作の宣伝活動に費やしたいと思っていて、もう3~4か月経ちました。宣伝部協力のもと、一人でも多くの方に観て欲しい、ただその為だけに行動しています。

 

映画・人生において紀里谷和明監督の“ 一貫性 ”

Q 休みがあったら何をして過ごしたいか

僕は、休みが楽しいとか有り難いとか、そんな風には思わないんです。「やっと休みだ!旅行へ行きたい!」と聞きますが、僕だったら、そんなに行きたいならすぐに行こう、そんなに嫌な仕事ならすぐに辞めよう、と思います。一生懸命やる仕事なら楽しくなりますよ。映画も作るのは辛いことばかりです。でも、そこに僕はやりがいを感じているから、寝れない、休めないけれども、辛いとか思わないんです。

Q 日本と海外、仕事と休み、それらのボーダレスな監督の考え方が身に付いたきっかけは

逆に、皆さんはいつからボーダーを引くようになったのでしょう。子どもの頃はそんな風に思っていなかったですよね?

ボーダーなどなく、国や性別、お金持ちか否か、社会的地位の上下、何一つ関係ない。あんなにも自由で可能性があったものが、なんでボーダーレスであることをやめちゃったのでしょうか?

子どもの頃は遊びに行ったら、やりたいことをやるだけやって、休みも忘れて、皆がそういう風に生きてきた。なぜそれができなくなってしまったのか?僕に聞くよりも、自問自答して真剣に向き合ってみてください。

(思うように人生がいかなくて)モヤモヤすると聞きますが、具体的にどうしたら解消されるのか必死に考えないで、途中で投げ出していませんか?最後まで突き詰めてみましょう。最終的に、やるか?やらないか?まで含めて。それは簡単な事じゃないし、すごく辛い、ものすごいカロリーを使うから、結局逃げたくなっちゃう気持ちも分かるけれど。

僕の答えは至ってシンプルで、とにかく真剣に自分の好きなこと、やりたいこと、生きたい生き方を、命懸けで突き詰めるしかないと思っています。

 

映画の話を伺いながら、いつしか監督自身の全てにおいての一貫性に気づくこととなる。それは、今回の『ラスト・ナイツ』でも、過去二作でも同様、先のMeet the Filmmakerでも語っていた「命を懸けて作った」という、一切の妥協の無い物事に全力で取り組む姿勢。人・物・映画・人生全てにおいて、“真正面から向き合う”ことの大切さ。

COLORS読者も、きっと仕事に、夢に、進路に、恋愛に悩むことがあるでしょう。物事が上手くいかない、現状から抜け出したいとは思っていても、それを打破するだけの努力、労力は計り知れず、結局は大多数が諦めたり投げ出してしまう。「もやもやする気持ちがあるのは、真剣に向き合ってないからでは?」紀里谷監督のこの厳しくも心強いお言葉は、COLORSプレスがそうであったように、きっと読者全員の胸に刺さる。

そして『ラスト・ナイツ』を観れば、それが言葉でなく五感で、全身であなたに届き、心の底から感動と衝動が突き抜けるでしょう。「自分は何を信じ、一体何の為に戦うのか?」そのメッセージは、年齢や性別問わず、全ての人に生きる勇気と希望を与えてくれる。今作を観て一人でも多くの方に心震えるこの感覚を体感して欲しいとCOLORSは願います

 

【関連リンク】

映画『ラストナイツ』公式サイト:http://lastknights.jp/